歴史
起源
Dragonfly は 2015 年に Alibaba Cloud 社内で始まった。きっかけは規模だ。日次の配布数が数万に達し、アプリケーション数が 1 万を超え、それに伴って中央ソースから大きなファイルを引く際の失敗率が上がった。最初のバージョンは、オリジンと消費者の間にピア共有を挟むイメージ・ファイル高速化システムだった (出典 7)。
プロジェクトは 2017 年末に OSS 化され、Kubernetes とコンテナイメージ配布に転用された。その頃 Alibaba は社内で月あたり約 3.4 PB を配布していたと報じられている (出典 6)。
年表
| 年 | マイルストーン |
|---|---|
| 2015 | 大きなファイル配布の失敗を減らすため Alibaba Cloud 社内で誕生 (出典 7) |
| 2017 | OSS 化され、Kubernetes のイメージ共有に適用 (出典 6) |
| 2018 | 2018-11-13 に CNCF Sandbox に受理 (出典 3) |
| 2020 | 1.0 で Go へ全面リライト、2020-04-09 に CNCF Incubating へ昇格 (出典 4) |
| 2025 | 2025-10-28 に CNCF を Graduated (出典 5) |
| 2026 | hf:// / modelscope:// ネイティブ対応で AI モデル配布へ拡張 (出典 8) |
どう進化したか
最初の大きな転換は 1.0 の Go リライトだ。CNCF は 2020 年 4 月に Dragonfly を incubator へ移す投票でこれを評価した (出典 4)。
2 つめの転換は 2.0 のアーキテクチャだ。当初の 1.x 設計は、固定サイズのチャンクを中央制御する supernode を中心としていた。2.0 では役割を Manager・Scheduler・Seed Peer・Peer の 4 つに分割し、ピアグラフの構築を scheduler に移した。旧 alibaba/Dragonfly リポジトリはアーカイブされ、作業は Dragonfly2、現在の dragonflyoss/dragonfly へ移った (出典 7)。
直近の転換は AI/ML への展開だ。Dragonfly は Hugging Face と ModelScope のソースをネイティブに扱えるようにし、TLV ワイヤ形式を使う Vortex という Rust 製転送プロトコルを導入した。大規模なモデル重み配布を狙ったものだ (出典 8)。
現在地
Dragonfly は 2025-10-28 に CNCF を卒業した。卒業時点でプロジェクトは 130 社・271 名による約 2.6 万コミットの貢献を報告している (出典 5)。ドキュメント基準コミット時点の最新安定タグは v2.4.3 (2026-03-11)、リリース候補系列には v2.4.4-rc.3 (2026-06-09) がある。第三者によるセキュリティ監査は Trail of Bits が 2023 年に実施し、リポジトリの docs/security/ 配下に公開されている (出典 1)。