歴史
起源
KubeVela は Open Application Model (OAM) から生まれた。OAM は Alibaba Cloud と Microsoft Azure が 2020 年に共同提唱したアプリ配信モデルで、KubeVela はその最初の実装だ。oam-kubernetes-runtime プロジェクトから派生し、Alibaba Cloud・Microsoft・Upbound など 8 組織以上のブートストラップ貢献で立ち上がった (CNCF blog 2023-03-31)。
解こうとした課題は、出荷するものを記述したい開発者と、その下の Kubernetes プリミティブを所有するプラットフォームチームの間のギャップだ。OAM はこれを Component (ワークロード) と Trait (コンポーネントに付与する運用能力) に分割し、抽象層を CUE で表現する (CNCF blog 2023-03-31)。この系譜の痕跡は今もコードに残っており、リポジトリは kubevela/kubevela 配下にあるのに Go module 名は github.com/oam-dev/kubevela のままだ (src/go.mod:1)。
年表
| 年 | マイルストーン |
|---|---|
| 2020 | OAM を Alibaba Cloud と Microsoft Azure が提唱。KubeVela を 11 月に OAM 最初の実装として OSS 公開 (CNCF blog 2023-02-27) |
| 2021 | 4 月に v1.0 リリース。2021-06-22 に CNCF Sandbox プロジェクトとして受理 (CNCF blog 2023-02-27) |
| 2023 | 2023-02-27 に CNCF Incubating へ昇格 (CNCF project page) |
どう進化したか
初期から方向性を決めた設計判断は、抽象層を Go コードではなく CUE template に置いたことだ。ComponentDefinition と TraitDefinition は CUE で書かれ reconcile 時に評価されるため、新しいコンポーネント型・トレイト型はコントローラを再ビルドせず追加できる (src/pkg/appfile/appfile.go:553)。これによりスコープは単一のアプリモデルから、workflow 実行とマルチクラスタ配置も扱う配信 control plane へと広がった。
CNCF incubation レビュー時点で、プロジェクトは contributor 90+ から 290+ へ、GitHub star 1,900+ から 4,700+ へ、貢献組織 20+ から 70+ へ成長していた (CNCF blog 2023-02-27)。
現在地
安定版最新タグは v1.10.8、プレリリース最新は v1.11.0-alpha.3 (2026-04-13)。ここで参照するコミットはそれらより先の master 上にある。ガバナンスは kubevela/community リポジトリに集約され、リポジトリ内の GOVERNANCE.md はそこへのポインタだ。意思決定は maintainer の super-majority 投票で、1 週間の非公開投票期間を持つ。6 か月以上不活発な maintainer は自動 removal され (super-majority で延長可)、CNCF Code of Conduct に準拠する (GOVERNANCE.md)。