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歴史

起源

Flatcar は CoreOS Container Linux の系譜に連なる。CoreOS は 2013 年に、コンテナ専用の Linux ディストリビューションとして Container Linux を導入した。読み取り専用 root、自動更新、安全なアップグレードのための A/B パーティション方式が特徴だ。ビルドシステムには今もその出自が残る。LICENSE ファイルは "Copyright (c) 2006-2013 The Chromium OS Authors" に続いて "Copyright (c) 2013-2015 CoreOS, Inc." で始まる。イメージツールが Chromium OS のビルドシステムから fork され、CoreOS が引き継いだためだ。

2018 年に Red Hat が CoreOS を買収し、Container Linux の将来は不透明になった。2015 年設立のベルリンの企業 Kinvolk は、既存ユーザに保守された継続先を残すため、Container Linux の drop-in fork として Flatcar を立ち上げた。

年表

節目
2013CoreOS が Container Linux を導入(読み取り専用 root、自動更新、A/B パーティション)。
2018Red Hat が CoreOS を買収。Container Linux の将来が不透明に。
2018Kinvolk が Container Linux の drop-in fork として Flatcar を立ち上げ。
2020-05-26CoreOS Container Linux が EOL。Flatcar が事実上の継続先に。
2021-04-29Microsoft が Kinvolk を買収。Flatcar は Microsoft 配下でコミュニティプロジェクトとして継続。
2024-08-02CNCF が Flatcar を Incubating レベルで受理(公表は 2024-10-29)。

どう発展したか

転機は 2020 年 5 月 26 日の CoreOS Container Linux の EOL だった。Flatcar は drop-in 代替として位置づけられており、EOL により Fedora CoreOS へ移行できないユーザにとっての実質的な継続先となった。

2021 年 4 月、Microsoft が Kinvolk を買収した。Flatcar はクローズドな製品ではなく、Microsoft の管理のもとコミュニティ主導のプロジェクトとして続いた。

コードベースは Gentoo/Portage の基盤を保ちつつ OS イメージを刷新してきた。コンテナランタイムはもはやベース OS に焼き込まれず、systemd-sysext イメージとして合成される。ビルドの既定 sysext セットは、OS と並んで出荷されるランタイムとして containerd と docker を宣言する(src/build_image:42)。

現在地

Flatcar は 2024 年に CNCF Incubator へ入った。財団として初の OS ディストリビューションだ。プロジェクトは stable / beta / alpha チャネルを出荷しており、本詳解時点の stable は stable-4593.2.3(2026 年 6 月)、ビルドツリーのバージョンマニフェストは FLATCAR_VERSION=4734.0.0+nightly-20260617-2100 を pin していた(src/sdk_container/.repo/manifests/version.txt)。リリースは flatcar/scripts の Gentoo ベース SDK ビルドシステムが生成し、ガバナンス・issue・ドキュメントはアンブレラの flatcar/Flatcar リポジトリで管理される。