歴史
起源
OpenTelemetry は 2019 年 5 月、競合していた 2 つの観測プロジェクトの合併として始まった。1 つは Google 発でメトリクスとトレースを扱う OpenCensus、もう 1 つは広い言語対応を持つベンダー中立なトレース API の OpenTracing である。両者は計装コミュニティを二分し、ライブラリやベンダーにどちらかを選ばせていた。合併は、エコシステムに 1 つの標準を与えることを目的に、バックの各社から共同発表された。(合併発表)
合併時点では Google・Microsoft・Amazon・Splunk・Datadog がバックに付いた。これが早期に勢いを得た一因である。(合併発表)
年表
| 年 | マイルストーン |
|---|---|
| 2019 | OpenCensus と OpenTracing が OpenTelemetry に合併。CNCF が 2019-05-07 に受理 |
| 2021 | 2021-08-26 に CNCF Incubating へ昇格 |
| 2026 | 2026-05-11 に CNCF Graduated へ昇格、Minneapolis の Observability Summit で 2026-05-21 発表 |
受理・Incubating・卒業の各日付は CNCF プロジェクトページ と 卒業発表 による。
どう進化したか
プロジェクトのスコープは 1 シグナルずつ広がった。トレースから始まり、メトリクス、ログ、そして直近で profiles を追加した。profiles はまだ実験的シグナルである。その実験的な扱いは Collector のコードに見える。パイプライングラフは stable な trace/metric/log シグナルと並んで xpipeline.SignalProfiles を扱う (service/internal/graph/graph.go:333)。(卒業ブログ)
卒業の一環として、Collector を含む第三者セキュリティ監査とガバナンスレビューを実施した。CNCF は OpenTelemetry を、Kubernetes に次いで CNCF 全体で 2 番目に高い開発ベロシティと評している。(卒業発表)
現在地
Collector はリリースが頻繁である。本ドキュメントの基準コミットでは stable モジュールセットが v1.60.0、beta モジュールセットが v0.154.0 である (versions.yaml:6、versions.yaml:33)。この分割により、データモデルと config パッケージは 1.x の安定性に達しつつ、service とコンポーネントの機構は 0.x で反復できる。
ガバナンスは二層構造である。Governance Committee が戦略と運営を担い、Technical Committee が技術方針を担い、その下に自律的な SIG 群がある。Governance Committee は技術判断を Technical Committee と SIG に委譲する。(governance charter、technical committee charter) 新しい SIG の作成には両委員会から 1 名ずつのスポンサーが必要で、ガバナンス文書はすべて open-telemetry/community リポジトリに集約されている。